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戦国時代の武将って、実は負けないことを最優先に考えていた。

勝つことより負けないこと。これが戦国時代を生き抜いた武将たちの基本姿勢だったんだけど、歴史の授業ではあまり教えてくれない。教科書に載るのは「関ヶ原の戦い」とか「桶狭間の奇襲」みたいな華々しい合戦ばかりで、その裏にあった地味な戦略は省略される。でも実際のところ、派手な合戦なんて武将の生涯でほんの数回あるかないか。残りの99%は、いかに無駄な戦いを避けるかという判断の連続だった。

真田昌幸なんかは典型的な「負けない戦略家」だったと思う。彼の領地は信濃の小さな一角で、周りは北条、徳川、上杉という大勢力に囲まれていた。普通に考えたら詰んでる状況。だけど真田は誰とも正面衝突しなかった。状況に応じて同盟相手をコロコロ変えて、「今この瞬間、誰の味方でいるのが一番安全か」だけを冷静に計算し続けた。裏切り者と呼ばれることもあったけど、彼にとっては生き残ることが最優先。美学とかプライドとか、そういうのは二の次だった。

この「負けない」という発想、現代のビジネスでもめちゃくちゃ使える。

スタートアップ企業が大企業に真正面から挑んでも勝ち目は薄い。資本も人材も違いすぎる。だから賢い経営者は戦場そのものをずらす。大企業が参入しにくいニッチな市場を選んだり、スピード勝負に持ち込んだり、あるいは一時的に大企業と提携して技術やブランドを借りたりする。真田昌幸がやっていたことと本質的には同じで、「今の自分の手札で、どうやったら負けないか」を最優先に考える。

去年の夏、知人が立ち上げたカフェが半年で閉店したんだけど、あれも「負けない戦略」の欠如だったと思う。駅から徒歩15分の住宅街に、特に特徴のないカフェをオープンさせて、近隣の大手チェーンと真っ向勝負を挑んだ。コーヒーの味は悪くなかったけど、それだけじゃ勝てない。立地、価格、認知度、すべてで不利な状況で戦いを挑めば、負けるのは時間の問題だった。

そういえば、あのカフェで飲んだカフェラテの泡、妙に固かったな。ラテアートが最後まで崩れなくて、なんか飲みづらかった記憶がある。あれはあれで技術なんだろうけど…。

戦国武将のもう一つの特徴は「情報収集」への異常な執着だった。上杉謙信は諸国から集めた情報をもとに、敵の動きを事前に察知していたし、毛利元就は各地に忍びを放って常に最新の情報を手に入れていた。彼らにとって情報は、兵力や武器と同じくらい重要な戦略資源だった。情報がなければ、どこで戦うべきか、いつ撤退すべきかの判断ができない。

現代でも同じ。市場のトレンド、競合の動き、顧客のニーズ。これらの情報を持っているかどうかで、勝負の8割は決まる。SNSのおかげで情報収集のハードルは下がったけど、逆に情報が多すぎて何が重要かを見極めるのが難しくなった。戦国武将なら、おそらく「ノイズを捨てる能力」を磨いただろう。すべての情報に反応していたら身が持たない。

徳川家康の「待つ」戦略も見逃せない。彼は若い頃、織田信長や豊臣秀吉の下で我慢を重ねた。自分の時代が来るまで、ひたすら待った。関ヶ原の戦いのときも、最初から東軍が有利だったわけじゃない。小早川秀秋の裏切りという「運」が味方したから勝てた。でも家康はその「運」が転がり込んでくるまで、負けない位置で待ち続けた。焦って動けば、どこかで失敗していたはず。

待つって、実はすごく難しい。何もしていないように見えるから、周りからは「やる気がない」と思われる。でも戦略的な「待ち」は、無策とは違う。家康は待っている間も、着々と準備を進めていた。同盟を固め、兵を訓練し、経済基盤を整えた。表面上は動いていないように見えても、内側では次の一手に向けて準備している。

「負けない戦略」を突き詰めると、結局のところ「自分の限界を知る」ことに行き着く。

自分にできることとできないことを正確に把握して、できる範囲で最善を尽くす。背伸びして大きく見せようとしても、いずれメッキは剥がれる。戦国武将は、自分の領地の石高、兵の数、同盟関係、すべてを冷静に見積もったうえで戦略を立てた。感情や見栄で動いたら、すぐに滅ぼされる時代だったから。

現代は命まで取られることはないけど、それでも無謀な挑戦で人生を棒に振ることはある。起業して借金を抱えたり、転職に失敗して路頭に迷ったり。リスクを取ること自体は悪くないけど、「負けても再起できる範囲」でリスクを取るのが賢い。全財産を賭けるとか、後がない状況に自分を追い込むとか、それは戦略じゃなくてギャンブルだ。

結局、戦国武将が教えてくれるのは「生き残った者が最後に笑う」ってこと。華々しく散るより、泥臭く生き延びる。格好悪くても、笑われても、負けなければそれでいい。

まあ、そんなこと言いながら、私も無駄な戦いに首を突っ込んでは後悔してるんだけど。

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