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単身赴任って、慣れるまで妙に眠りが浅くなる。

先月の深夜3時、ふと目が覚めて天井を見つめながら考えたんだけど、妻のスマホのパスワード、俺知らないんだよね。別に疑ってるとかじゃなくて、もし何かあったらどうするんだろうって。逆もそうで、妻は俺のパスワード知らない。LINEも銀行アプリも、全部ロックかかったまま。

この話を同僚にしたら「縁起でもない」って笑われたんだけど、現実問題として困るのは事実で。うちの会社、去年40代の先輩が急に倒れたことがあって、奥さんが途方に暮れてたらしい。クレジットカードの引き落とし口座がどこなのか、ネット証券の口座番号は何番なのか、全然わからなくて。結局、郵便物を片っ端から開けて調べたって聞いた。デジタル時代の遺品整理って、想像以上に複雑なんだよね。

俺自身、恥ずかしながらサブスクだけで月に8個くらい契約してる。NetflixとかSpotifyとか、あとなんか英語学習アプリも入ってて全然使ってないやつ。あれ解約しないとな…って半年くらい放置してるんだけど。妻が知らないサービスもいくつかあって、もし俺に何かあったら、永遠に引き落とされ続けるわけで。それって妻からしたら、毎月数千円が謎の出費として消えていくホラーだよね。

単身赴任先のアパートで一人暮らししてると、週末に妻から「生きてる?」ってLINEが来る。冗談半分だけど、半分は本気なんだと思う。俺も金曜の夜は必ず「今週も無事終わった」って連絡入れるようにしてるけど、それが来なかったらどうするんだろう。鍵は持ってないし、大家さんの連絡先も知らないし。

そういえば去年の冬、インフルエンザで三日間寝込んだときがあって。熱でぼーっとしながら、ああこれ孤独死ってこういう感じで始まるのかなって思った。大げさかもしれないけど、あの時は本気で怖かったんだよね。誰にも気づかれずに、みたいな想像をしちゃって。結局、宅配便の不在票が溜まってるのを見た大家さんが心配して電話くれたんだけど、あれがなかったらと思うとゾッとする。

最近知ったんだけど、「人生金庫」っていうサービスがあるらしくて。要は、自分の大事な情報を安全に保管して、万が一の時に指定した人に届けられる仕組み。安否確認の機能もついてて、一定期間連絡がないと自動で家族に通知が行くんだって。なんかSF映画みたいな話だけど、考えてみたら理にかなってる。

銀行のパスワードとか、証券口座の情報とか、生命保険の証券番号とか、全部バラバラに管理してると本当にわけわからなくなる。俺も一応エクセルでリスト作ってるんだけど、そのエクセルファイル自体にパスワードかけてて、そのパスワードをどこにメモしたか忘れるっていう本末転倒な状況になってる。情報を守ろうとすればするほど、自分でもアクセスできなくなるっていうジレンマ。

妻の実家のお父さんも一人暮らしなんだけど、70過ぎてるのにスマホ使いこなしててすごいなって思う。ただ、義母が亡くなってから、銀行の通帳とか保険の書類とか、どこに何があるのか本人もよくわかってないらしい。この前帰省したとき、「わしが死んだら、あとは頼むぞ」って冗談めかして言われたけど、正直どこから手をつけていいのかわからない。

デジタル終活とか、最近よく聞くようになったけど、別に高齢者だけの問題じゃないんだよね。俺みたいに40代で単身赴任してる人間だって、明日何があるかわからない。階段で転んで頭打つかもしれないし、通勤中に事故に遭うかもしれない。確率は低いかもしれないけど、ゼロじゃない。

情報を残すって、愛情表現の一つなのかもしれないって最近思う。「ちゃんと整理しておくから安心して」っていうメッセージというか。残される側の負担を減らすっていう、最後の思いやりみたいな。ちょっと真面目すぎるかな。

まあ、とりあえず週末に妻と話してみようと思ってる。お互いのパスワードをどう管理するか、どんな契約があるのか、ちゃんと共有しておかないとなって。面倒くさいけど、後回しにしてたらいつまでも解決しないし…。

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