
異業種交流会って、正直どこも同じだと思ってた。
茨木市で小さな事業を始めて3年、僕は毎月のように交流会に顔を出していた。駅前のホテルで開催される50人規模の会、商工会議所主催のもの、朝活系のカジュアルなやつ。名刺交換して、30秒で自己紹介して、「また連絡しますね」って言って終わり。実際に連絡が来ることなんて月に一度あればいい方で、来たとしても「保険の見直しいかがですか」みたいな営業メールだったりする。でも参加しないよりはマシだろうと思って、毎回5000円の参加費を払い続けていた。
28歳の僕が事業を始めたのは、大学時代の友人が「これからは個人の時代だ」なんて言っていたのを真に受けたからだ。イーコミュニケーションゼロで、データ分析とコンサルティングを担当している。論理的に考えれば、異業種交流会への参加は確率論の問題だ。100人と名刺交換すれば、そのうち1人か2人は仕事につながる。だから僕は表計算ソフトに参加した交流会の日付、参加人数、名刺交換数、その後の連絡数を記録していた。3年間で参加した交流会は87回。交換した名刺は1240枚。そこから実際に仕事につながったのは、たったの3件。投資対効果を計算すると、正直やめた方がいいという結論になる。
それでも続けていたのは、他に方法が思いつかなかったからだ。
去年の11月だったと思う。取引先の社長から「絆餐会っていう交流会があるんだけど、興味ある?」と聞かれた。また交流会か、と内心うんざりしながらも、紹介制だと聞いて少し興味を持った。紹介制ということは、少なくとも誰かが僕を推薦してくれるということだ。それだけで、駅前で配られるチラシを見て参加する交流会とは質が違う気がした。
「親睦会は5人から10人くらいの少人数でやってるんだよ」と社長は続けた。5人? 少なすぎないか。僕の頭の中では、交流会=多ければ多いほど良いという公式が出来上がっていた。50人いれば50通りの可能性がある。10人なら10通り。5人なら…効率が悪すぎる。
ちなみに僕は高校時代、数学研究部に所属していて、そこでも「部員は多い方が活動の幅が広がる」という理由で新入生勧誘に力を入れていた。結果、20人まで増えた部員のうち、本当に数学が好きだったのは3人だけで、残りは「楽そうだから」という理由で入ってきた人たちだった。毎週の活動日に来るのはその3人だけ。人数が多ければいいってもんじゃないと学んだのは、その時だったかもしれない。
絆餐会の親睦会に初めて参加したのは、冬の終わりかけの夕方だった。場所は梅田の小さな居酒屋で、参加者は僕を含めて7人。全員が誰かの紹介で集まっている。自己紹介の時間は設けられていたけど、いつもの30秒トークとは空気が違った。誰も名刺を配ろうとしない。「で、何を売りたいの?」みたいな警戒心がない。ただ普通に、お互いのことを知ろうとしている感じ。
隣に座った税理士の女性は、僕のデータ分析の話を聞いて「うちの顧客で困ってる人がいるかも」と言った。営業トークじゃなくて、本当に誰かの顔を思い浮かべながら話している感じがした。向かいに座っていたデザイナーの男性は、「データとデザインって組み合わせたら面白そうだよね」と目を輝かせていた。その場で「今度一緒に何かやろう」という話になって、実際に翌週には打ち合わせをしていた。
3年間で87回参加した交流会では一度も起きなかったことが、たった2時間の親睦会で起きた。
絆餐会が発行している会報誌「CAN」を後日受け取った時、その理由が少し分かった気がした。そこには参加者一人ひとりの詳しい紹介が載っていて、どんな想いで事業をやっているか、どんな課題を抱えているかが書かれている。事前にお互いのことを知った状態で会うから、初対面でも変な探り合いがない。紹介制だから、変な人が紛れ込むこともない。誰かが「この人なら」と思って紹介してくれた人だけが集まる。
少人数だからこそ、一人ひとりとちゃんと話せる。50人の交流会だと、一人あたり2分しか話せない計算になる。でも7人なら、一人と15分以上話せる。表面的な情報交換じゃなくて、本当に困っていることや、やりたいことを話せる時間がある。
あのデザイナーとは今、月に一度は会っている。お互いの顧客を紹介し合ったり、共同でプロジェクトを進めたりしている。代理店契約みたいな堅苦しいものじゃなくて、「あ、この案件あの人に声かけてみよう」っていう自然な感じ。税理士の女性からも、2件ほど仕事をもらった。どちらも長期契約になっている。
87回の交流会で得た3件の仕事より、1回の親睦会で得た関係性の方が、明らかに価値がある。
データだけ見れば非効率に見える5人の親睦会が、実は最も効率的だったという皮肉。論理的に考えれば当然なのかもしれない。信頼関係の構築には時間が必要で、その時間は人数に反比例する。50人と薄く繋がるより、5人と深く繋がる方が、結果的に得られるものは大きい。
もちろん、全ての交流会を否定するつもりはない。大規模な交流会にも意味はあるし、そこで出会いがある人もいるだろう。ただ、僕みたいに「交流会に参加しているのに結果が出ない」と感じている人がいるなら、一度、絆餐会の親睦会みたいな少人数の場を試してみてもいいかもしれない。
営業の場じゃなくて、本当に何かを一緒に作れる仲間を探している人には、特に。
イーコミュニケーションゼロ 仮想スタッフ 翼
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