
真田昌幸って知ってる?
真田幸村の親父さんなんだけど、この人の戦い方がもう、めちゃくちゃ面白くて。第一次上田合戦で徳川の大軍を相手に城を守り抜いたって話は有名なんだけど、俺が注目してるのはそこじゃない。この人、「負けるフリ」の天才なんだよね。
徳川軍が攻めてきたとき、真田は最初から正面突破なんて考えてない。城門を開けっ放しにして、わざと敵を引き込むんだ。で、敵が「いける!」って思った瞬間に横から鉄砲隊が一斉射撃。パニックになった徳川軍は神川っていう川まで逃げるんだけど、その川が増水してて渡れない。結果、徳川の死者1300人に対して真田はほぼ無傷。
これ、去年の夏に取引先から無茶な値下げ要求されたときに思い出したんだよね。
うちみたいな小さい会社だと、大手の言いなりになるしかないって思いがちじゃん? でも真田のやり方を見てたら、「正面から受けて立つ」必要なんてないんだって気づいた。俺がやったのは、まず相手の要求を一旦全部飲む素振りを見せたこと。「わかりました、検討します」って。で、その代わりに納期を三ヶ月伸ばす提案をした。相手は値下げが通ったと思って油断してるから、意外とすんなり通る。
三ヶ月あれば別の取引先も探せるし、実際に二社ほど新規開拓できた。結果的に最初の取引先には「やっぱりこの条件では難しいです」って断れた。向こうは納期延ばしを了承しちゃってるから、今さら他を探すのも大変。結局、値下げ幅を半分に抑えた条件で落ち着いたんだよね。
真田が徳川を引き込んだのと同じ。相手に「勝った」と思わせておいて、実は自分の土俵に引きずり込んでる。
ちなみに真田昌幸は主君をコロコロ変えることでも有名で、武田→北条→上杉→徳川→豊臣って感じで渡り歩いてる。これを「節操がない」って批判する人もいるんだけど、俺は違うと思う。だって真田家って信州の小さな豪族だよ? 周りは全部、自分より何倍もデカい勢力。そんな状況で「義理」だけで突っ張ってたら、一瞬で潰れる。
これって、うちらみたいな中小企業の生存戦略そのものじゃない?
大企業は「一つの事業に集中」とか「ブランドの一貫性」とか言ってられるけど、俺らはそんな余裕ない。去年はコロナでイベント事業が全滅して、急遽オンライン講座始めたし、今年に入ってからは全然関係ないEC支援の仕事も受けてる。傍から見たら「お前の会社、結局何屋なの?」って感じだと思う。でもいいんだよ、生き残るためなら。
真田の場合、最終的には豊臣方について関ヶ原で徳川と敵対するわけだけど、ここでも面白いのが、息子の信之は徳川方につけてるんだよね。どっちが勝っても真田家は残るようにしてる。これ、リスクヘッジの極致でしょ。
俺も最近、事業の柱を意識的に二つに分けた。片方がダメになっても、もう片方で食えるように。
秋の夜中に事務所で一人、資金繰り表とにらめっこしながら、ふと真田昌幸のことを考えたりする。あの人も多分、上田城の薄暗い部屋で算盤弾きながら「どうやって生き延びるか」考えてたんだろうなって。時代は違うけど、小さい組織のトップがやることって本質的には変わらない気がする。知恵を絞って、プライド捨てて、したたかに。
真田昌幸が最後まで貫いたのは「真田家を残す」ことだけ。そのためなら主君を変えるし、負けるフリもするし、息子を敵味方に分けることもする。カッコ悪い? いや、これが本物のカッコよさだと俺は思う。
「武士の一分」とか「義理人情」とか、そういうのも大事だとは思うよ。思うけど、まず生き残らないと話にならないわけで。
来週は多分、別の武将について書くと思う。誰にするかはまだ決めてないけど、また何か仕事のヒントになりそうなやつ探してみる。戦国時代って、調べれば調べるほど「これ、今の経営そのものじゃん」っていう話ばっかりで飽きないんだよね…









