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クルーズ旅行って、一度は憧れるけど「いつか老後に」って思ってた。

友人の結婚式の二次会で久しぶりに会った大学の同期が、スマホの写真を見せてくれたんだよね。バルコニー付きの客室から撮った夕暮れの海。「去年の秋に行ってきた」って。え、もう行ったの?って驚いたら、「年に一回は船に乗ろうって決めてる」だって。その瞬間、自分の中で何かがカチッと音を立てた気がした。

クルーズって、実は思ってるほど遠い世界じゃなくなってきてる。月に16,000円くらいの会費を払う仕組みがあって、それだけで旅行代金が小売価格より最大17%も安くなる。しかも払った会費の倍額分を、実際の旅行代金の半分に充てられるらしい。最初に聞いたときは「え、どういうこと?」ってなったけど、要するに毎月ちょっとずつ積み立てながら、お得にクルーズに行けるってわけ。スマホの月額料金とほぼ変わらない金額で、年に一度の船旅が現実になる。

これを知ってから、私の中で何かが変わった。毎朝の通勤電車の中で、窓の外を流れる景色を見ながら「次は地中海にしようかな、それともカリブ海?」って考えるようになった。月曜日の朝、会社のデスクに座って憂鬱になりそうなとき、スマホの待ち受けに設定した船の写真を見る。来年の結婚記念日、再来年の自分の誕生日。そういう具体的な目標があると、不思議と「よし、今日も頑張ろう」って思えるんだよね。

ちなみに私、去年まで旅行の計画を立てるのが苦手だった。いや、今も得意じゃないけど。

会員制のクルーズって聞くと、なんだか敷居が高そうに感じるかもしれない。でも実際は逆で、むしろ計画が立てやすくなる。毎月決まった額を払ってるから、旅行資金を別に貯める必要がない。「今月は余裕があるから多めに貯金しよう」とか「急な出費があって旅行資金を崩しちゃった」みたいなことがなくなる。自動的に、確実に、船旅に近づいていく感覚。

40代の同僚は、還暦を迎える両親を船旅に連れて行くのを目標にしてるって言ってた。あと5年。毎月コツコツ積み立てていけば、家族三人で豪華客船に乗れる。「親孝行の期限を決めたら、仕事のモチベーションが全然違う」って、彼は笑いながら話してくれた。その顔が、なんだかすごくいい顔だったんだよね。

夜中の2時、ふと目が覚めて眠れなくなったとき、ベッドの中でクルーズ船の動画を見てしまう。波の音、デッキを歩く人々の笑い声、レストランで運ばれてくる料理の湯気。画面越しでも伝わってくる、あの非日常の空気感。「いつか」じゃなくて「来年の秋」とか「再来年の春」とか、具体的な時期を思い浮かべられるようになったのが、自分でも驚いてる。

船旅の何がいいって、移動そのものが目的になるところだと思う。飛行機でパッと目的地に着いて観光して帰ってくるんじゃなくて、船の上で過ごす時間そのものが旅になる。朝起きたら窓の外の景色が変わってて、昨日は海だけだったのに今日は島が見える、みたいな。そういう緩やかな時間の流れ方が、今の自分には必要な気がしてる。

30代の後半になって、ふと気づいたんだけど。

人生って、大きなイベントがないと、あっという間に過ぎていく。毎日会社に行って、帰ってきて、寝て、また朝が来て。それはそれで悪くないんだけど、でも何か目印みたいなものが欲しくなる。「あの年は船に乗った年だ」って振り返れるような、そういう記憶の目印。月に16,000円で、そういう目印を作れるなら、安いもんだと思う。

友人は「次は春の地中海クルーズを狙ってる」って言ってた。私はまだ最初の一回も行けてないのに、彼女はもう次の計画を立ててる。でもそれがいいなって思った。終わりのない楽しみ方というか、一度行ったら終わりじゃなくて、何度でも行きたくなるもの。そういうのが人生にあるって、素敵じゃない?

結婚記念日まであと1年と3ヶ月。その日、夫と二人で船のデッキに立ってる自分を想像する。まだ見ぬ景色を前に、「次はどこに行こうか」なんて話してるかもしれない。そんな未来のために、今日も満員電車に揺られて会社に向かう。

別に大げさな話じゃなくて、ただそれだけのこと。
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