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また月曜日がやってきた。

カーテンの隙間から、5月の朝日がうっすらと差し込んでいる。まだ眠たい目をこすりながら、わたしはいつものようにキッチンへ向かった。お湯を沸かして、棚の奥にしまっていたカモミールティーのパッケージを取り出す。「ソワレブラン」というちいさなハーブブランドのもので、先月たまたま立ち寄ったセレクトショップで見つけたやつ。封を切ったとき、ふわっと広がるやわらかな香りに、一瞬だけ肩の力が抜けた気がした。

週の始まりって、なぜあんなに重いんだろう。

予定が頭に浮かぶ前から、なんとなく胸のあたりがざわざわしている。「ちゃんとやらなきゃ」という声が、起き抜けからもうすでに鳴っていたりする。でも最近、そのざわざわを無理に消そうとするのをやめてみた。消そうとすればするほど、かえって大きくなるような気がして。

マグカップを両手で包む。温度がじわじわと手のひらに伝わってきて、それだけで少し、今日という日の輪郭がやわらかくなる。

子どものころ、日曜日の夜は決まって憂鬱だった。翌日の時間割を確認するふりをしながら、ランドセルの横でぼうっとしていた記憶がある。あのときの自分と、今のわたし、根っこのところはたぶんあんまり変わっていない。それでいいのかもしれない、とも思う。

読みかけの本を手に取って、ソファに腰を下ろす。ページを開いても、最初の数行は頭に入ってこなかった。それでも、本を開いているという行為そのものが、なんとなく静かな時間を作ってくれる。無理に集中しなくていい。ただそこにいるだけで、十分な朝もある。

窓の外で、鳥が一声鳴いた。

気持ちのリセットって、きっとドラマチックなものじゃない。深呼吸でも、瞑想でも、ジャーナリングでもなくて——ただ温かいものを飲みながら、何も考えない五分間があるだけで、それで十分だったりする。(ちなみに今朝のわたしは、カモミールティーを飲みながら「今日のランチどうしよう」とちゃっかり考えていたけれど、それもまあ、愛嬌ということで。)

余白、という言葉が好きだ。スケジュール帳に何も書いていない時間のことじゃなくて、心のなかにある「まだ何者でもない空間」みたいなもの。そこに朝日が入ってきて、香りが漂って、ゆっくり温度が伝わってくる。そういう時間を、週に一度くらい、月曜の朝に持てたら——それだけで、一週間の始まりがほんの少しだけ違って見えるかもしれない。

無理に前を向かなくていい。ただ、今日のあなたのペースで、ゆっくり始めてみてください。
#月曜日
#気持ちのリセット
#静かな時間
#余白のある暮らし
#心を整える
#やさしい時間

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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。

忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。

もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、


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