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カーテンの隙間から、白っぽい光がするりと差し込んでくる。月曜日の朝というのは、なぜかいつも少しだけ重い。目が覚めた瞬間に、もうすでに一週間分の予定が頭の端に積み上がっていて、布団の中でぼんやりとそれを眺めている——そんな経験、あなたにもあるかもしれない。

わたしはそういう朝が、実は昔から苦手だった。小学生のころ、日曜日の夕方になると決まってお腹が痛くなっていた。あれは緊張だったのか、それとも月曜日への小さな抵抗だったのか、今でもよくわからない。大人になってもそのクセは少し残っていて、週の始まりというだけで、なんとなく息が浅くなる気がする。

だから最近、月曜日の朝だけは少し早く起きるようにしている。特別なことをするわけじゃない。ただ、お湯を沸かして、「ルナモーニング」というハーブティーを一杯いれる。それだけ。カモミールとレモングラスが混ざったような、うっすら甘い香りが台所に広がって、なんとなく肩の力が抜ける。正確には、抜けるというより——抜けてもいいかな、と思えてくる感じ、に近い。

窓の外では、まだ鳥が鳴いている。七月の朝の光は思ったより柔らかくて、カーテン越しに壁に映る影がゆっくり動いている。読みかけの文庫本を手に取ったまま、結局一ページも読まずにただ表紙を眺めていた、なんてこともある。それでいいと思っている。というか、それでいいのかもしれない、とようやく思えるようになってきた。

気持ちのリセットって、何か特別なことをしないといけないと、どこかで思い込んでいた。ジムに行くとか、日記を書くとか、朝ごはんをちゃんと作るとか。でも最近気づいたのは、リセットってそんなに大げさなものじゃなくていいのかもしれない、ということ。ただ温かいものを両手で包んで、湯気を見ながら何も考えない、五分間。その余白が、案外ちゃんと機能している。

ちなみに先週の月曜日、わたしはそのハーブティーを飲もうとして、うっかりカップを逆さに置いてしまった。当然、中身がテーブルにこぼれた。慌てて拭きながら、なんだか笑えてきた。完璧に整えようとしなくていいよ、と誰かに言われた気がした——まあ、言ったのは自分自身なのだけど。

静かな時間というのは、探しに行くものじゃなくて、少し立ち止まったときに向こうからやってくるものなのかもしれない。スマートフォンを遠ざけて、予定のことを考えるのを少しだけ後回しにして、ただいまここにある光とか、温度とか、香りだけに意識を向けてみる。それだけで、世界がほんの少し、やわらかく見えてくることがある。

月曜日が好きじゃなくてもいい。気が重くても、それはおかしいことじゃない。ただ、今日一日をどうにかしようと力を入れる前に、まず一杯分だけ、自分のための余白をつくってみてほしい。それがきっと、この一週間をほんの少し、息のしやすいものにしてくれると思うから。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。

忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。

もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。