
カーテンの隙間から、うっすらと光が差し込んでくる。月曜日の朝というのは、どうしてこんなに重たいのだろう。目が覚めた瞬間から、今日やらなければならないことが、頭のどこかでぼんやりと積み上がっていく。それでも、すぐに動き出さなくていい。そう思える朝が、あってもいいんじゃないかな、と最近少しずつ感じるようになった。
わたしはそういうとき、まずお湯を沸かす。使っているのは「ルミノワ」という小さなブランドのハーブティーで、パッケージの絵がなんとなく好きで買ったものだ。カモミールとレモングラスのブレンドで、蓋を開けた瞬間にふわっと広がる草の香りが、まだ半分眠っている頭をそっと起こしてくれる気がする。ティーポットに注いだとき、白い湯気がゆっくりと立ち上がって、窓の光の中に溶けていくのを眺めながら、ああ今日も朝が来たんだな、と思う。ただそれだけのことなのに、なぜか少し、息ができる感じがする。
気持ちのリセットって、大きな何かをしなければいけないと思いがちだけれど、実はそうじゃないのかもしれない。先週、読みかけのまま枕元に置いていた本を、久しぶりに手に取った。ページを開いたら、しおりが挟まっていない。どこまで読んだのかすっかり忘れていて、最初から読み直すことにした。それはそれで、なんだか悪くなかった。同じ文章が、前に読んだときとは少し違う響き方をしていて、自分の気持ちが変わっていることに気づいたりもする。
静かな時間というのは、何かをするための時間じゃなくて、ただそこに「いる」ための時間なのかもしれない。子どもの頃、雨の日の縁側で、特に何もせずにただ雨音を聞いていたことがあった。何かを考えていたわけでも、考えないようにしていたわけでもなく、ただ雨が降っているのを眺めていた。あの感覚に、今も時々戻りたくなる。
余白、という言葉が好きだ。余白は「何もない空間」じゃなくて、「何かが息をしている空間」だと思う。ぎゅうぎゅうに詰め込まれたスケジュールの中に、余白はない。でも、今日の朝だけは少しだけ、スマートフォンを遠ざけて、温かいカップを両手で包んで、窓の外の空を見上げてみてほしい。曇っていても、晴れていても、どちらでもいい。
無理に前を向かなくていい。月曜日の朝は、ただ存在しているだけで、十分だと思う。今週が、あなたにとって少しでも軽くありますように。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。
忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。
もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。






