武岡 隆
手のひらの中に、物語の体温がある
2026年4月4日 武岡 隆
文庫本を鞄に入れるとき、あの独特の重さを感じる。薄いようで、確かにある。手のひらに収まるその小ささが、なぜかひどく頼もしい。 先日、出張の帰りに立ち寄った駅の書店で、一冊の小説を手に取った。架空の港町を舞台にした恋愛小説 …
君に贈りたかった、あの一冊の体温
2026年3月31日 武岡 隆
本棚の前で立ち止まったのは、十一月の夕暮れどきだった。窓の外では銀杏がひとひら、ひとひらと落ちていて、部屋の中には珈琲の香りがゆっくりと満ちていた。妻がソファで文庫本を読んでいる。手のひらにすっぽりと収まるほどの小さな本 …











