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月曜日の朝、目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
カーテンの隙間からうっすらと差し込む朝の光が、フローリングの上に細長い白い線を引いていた。8月の終わり、もうすぐ9月になるのに、空気はまだやわらかく湿っていて、窓の外では近所の誰かが自転車を漕いでいく音がかすかに聞こえた。チェーンの、ちりちりという小さな音。それだけで、世界がちゃんと動いていることがわかる気がした。
新しい一週間が、また始まる。
正直に言うと、「よし、今週も!」って気持ちには、まだちょっとなれていない。布団の中で天井を見ながら、今週の予定をぼんやり思い浮かべて、ため息をひとつ。それでも、それでいいと思っている。月曜日の朝にぜんぶの気持ちを整えなくていい。そんなふうに、最近は思えるようになってきた。
ベッドから出て、まずお湯を沸かす。
愛がいま好きなのは、「ソレイユブレンド」という名前の、フランス語で「太陽」を意味するハーブティー。近所の小さな雑貨屋さんで見つけたもので、カモミールとレモングラスがほんのり混ざった、やさしい香りがする。カップに注ぐと、湯気がゆらゆらと立ち上がって、それだけで少し、気持ちがほどけていく。
子どもの頃、母が朝に紅茶を淹れるたびに「いい匂いがすると目が覚める」と言っていた。当時はよくわからなかったけれど、今になってやっとその意味がわかる。香りって、不思議なほど正直に気持ちに届く。
カップを両手で包むように持って、窓の外を見る。
朝の光が少しずつ強くなって、葉っぱの影が揺れている。今日も暑くなりそうだけど、この時間帯だけは、空気がまだ涼しくてやわらかい。好きな音楽をそっとかけた。ボリュームは小さめに。朝は、音があまり大きいと、なんだか気持ちが追い立てられる気がするから。
そういえば今朝、ハーブティーを注ごうとしてカップを取り落としそうになった。なんとかキャッチしたけど、中身が少しだけこぼれて、テーブルに小さな水たまり。あわてて拭きながら、「月曜日から何やってるんだろ」と自分に軽くツッコんでしまった。でもまあ、こぼれたのはお湯だけで、カップは無事。それで十分、ということにしておく。
一週間を、完璧に始めなくていい。
小さな一歩でいい、というのは、よく聞く言葉だけど、本当にそうだと思う。今日やること、ひとつだけ決める。それだけで、一日はちゃんと前に進んでいく。読みかけの本を一ページ読むとか、ちょっと遠回りして帰ってみるとか、そういう小さなことが、一週間をじんわり豊かにしてくれる気がしている。
新しい一週間は、もう始まっている。
朝の光の中で、あなたもそっと、自分の歩幅で。今週も、ちょっとだけがんばろっ❤
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。
忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。
もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。






