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カーテン越しに差し込む八月の朝の光が、デスクの端をじんわりと白く染めていた。今日は木曜日。週の後半に差し掛かったこの朝、コーヒーを一口飲んで、ふと気づいた。今週、自分はどんなペースで動いてきただろう、と。

月曜に立てた予定は、今もそのまま手帳の中に並んでいる。いくつかは丸がついて、いくつかはまだ空白のまま。それを見て焦りが来るかと思いきや、不思議と今朝はそうでもなかった。なんというか、ここまで来たという感触のほうが、少しだけ勝っていた。

振り返ってみると、火曜の午後に一件メールを送り損ねていたことに気づいた。送ったつもりで、下書きに眠っていた。——そういうことは、誰にでもある。ちゃんと送れたと思い込んで三日間過ごしていたのだから、我ながら少し笑えた。でもそれを見つけられたのも、今朝静かに立ち止まったからだ。

週の後半というのは、不思議な時間帯だと思う。前半の勢いはすでに消えていて、でも週末はまだ遠い。疲れが体のどこかに溜まっていて、それでも「あと少し」と思いながら動いている。そういう時間の中で、ペース調整をするのはむずかしい。でも、だからこそ、今日みたいな朝に少しだけ立ち止まることに意味があると思っている。

僕がよくやるのは、予定を「今日やること」と「今週中でいいこと」に分けてみること。全部が今日でなくていい。それだけで、なぜか少し呼吸が楽になる。子どもの頃、夏休みの宿題を一日で全部終わらせようとして、初日の午後に力尽きた記憶がある。あの失敗が、今も妙に役に立っている。

今朝、架空のセレクトショップ「ソワレ・ブルー」で先週買ったリネンのクッションを抱えながら、窓の外を見ていた。蝉の声と、どこかから漂うコーヒーの香りと、まだ少し涼しい風。その三つが重なる瞬間に、今週の自分を静かに認める気持ちになれた。

小さな見直しで、十分だ。全部を変えなくていい。今日、一つだけ優先することを決める。それだけで、週の後半はずいぶん違う顔を見せてくれる。焦らず、少し歩幅を整えながら、今日も進んでいこう。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。

忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。

もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。