
今朝、コーヒーを淹れようとしてフィルターを二枚重ねてしまった。気づいたのはお湯を注いだあと。なんとなく薄い味がするな、と思いながら飲み切った。そういう朝が、水曜日には多い気がする。
週の真ん中というのは、不思議な場所にある。月曜の緊張はとうに溶けて、でも週末の解放感にはまだ届かない。ちょうど坂道の折り返し地点みたいに、どちらを向いても同じくらい遠い。個人でビジネスを動かしている人や、会社を切り盛りしている人ならなおさら、その重さは人より少し大きいかもしれない。決断も、連絡も、先読みも、全部自分のところに集まってくる。それが積み重なると、体より先に、頭がじんわり重くなってくる。
そんな朝、窓を少しだけ開けてみてほしい。
夏の朝の空気はまだ柔らかくて、日差しが差し込む前のあの静けさの中に、どこかから金木犀の残り香みたいな、言葉にできない匂いが混じっていることがある。実際には季節が違うのに、なぜかそう感じる朝がある。そういう瞬間に出会えたら、少しだけ立ち止まってみてほしい。
深呼吸、一回でいい。
鼻からゆっくり吸って、口からそっと吐く。それだけで、頭の中で渋滞していた何かが、少しだけ動き出す感覚がある。大げさじゃなく、本当にそれだけで変わる。子どもの頃、かけっこの前に「はい、深呼吸して」と先生に言われたとき、あんなに単純なことがなぜ効くんだろうと思っていた。大人になって、ようやくわかる気がする。体が「今ここにいる」と思い出す、そういう合図なんだと。
飲み物を一杯、ていねいに用意するのもいい。
架空の話ではなくて、わたしが最近気に入っているのは「ルミエールブレンド」という小さなハーブティーのブランドで、カモミールとレモングラスが混ざったやつ。正直、最初は名前につられただけだったけど、飲んでみたら本当に気持ちが落ち着いた。温かいカップを両手で包むと、手のひらからじんわり熱が伝わってきて、それだけで少しだけ息が整う。そういう小さな休息が、一日の質をそっと変えてくれる。
空や緑を眺める時間も、同じくらい大切だと思っている。ベランダでも、窓の外でも、ほんの一分でいい。葉っぱが風に揺れているのを見ていると、世界はちゃんと動いているんだな、と思える。自分が動かなくても、何かは続いている。その感覚が、妙に安心させてくれる。
水曜日の朝、ここまで来たということは、もう半分を越えたということ。それは小さいようで、実はちゃんとすごいことだと思う。誰かに認めてもらわなくても、自分の中でそっと「よく来たね」と言ってあげてほしい。
今日も、自分のペースで。それだけで十分だから。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。
忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。
もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。






