
目が覚めたとき、カーテンの隙間から差し込む光が、いつもより少し柔らかく感じた。9月の朝はまだ蒸し暑さが残っているけれど、風の質がどこか変わってきている。ベランダで缶コーヒーを一口飲みながら、ぼんやりと今週のことを思い返していた。
今日は木曜日。週の後半に差しかかった朝だ。
月曜日に立てた予定が、今どのくらい進んでいるだろう。全部こなせている人なんて、正直そんなに多くないと思う。僕自身も、火曜日に送るつもりだったメールが水曜の夜にずれ込んだり、やろうと思っていたことが後回しになったりした。それが普通なんだと、最近ようやく思えるようになってきた。
木曜の朝にしていること、というほど大げさなものじゃないけれど、ひとつだけ習慣にしていることがある。手帳を開いて、今週の予定をざっと眺めること。「小さな見直し」と呼ぶには少し照れくさいくらいの、ただの確認作業だ。でも、これをやるとやらないとでは、午後の気持ちの落ち着き方がちょっと違う。
先週、友人から「ノルテ」というブランドのデスクマットをもらった。薄いグレーで、触れるとひんやりとした感触がある。それ以来、朝の手帳タイムがなんとなく好きになった。小さなきっかけって、意外とあなどれない。ちなみに、その友人は渡すときに「これ、なんか落ち着くらしいよ」と言って、自分も一個買ったと後から教えてくれた。どっちが贈り物なのか、少し混乱した。
話を戻すと、木曜日の朝にやることはシンプルだ。今日と明日でできることを、正直に選ぶ。全部を週内に終わらせようとしない。優先することを一つだけ決めて、そこに少し丁寧に向き合う。ペース調整というと何か特別なスキルみたいに聞こえるけれど、要するに「今の自分に合った速さを選ぶ」ということだと思っている。
子どもの頃、父が車を運転するとき、渋滞に入ると必ずラジオの音量を少し下げていた。なぜか聞いたことはないけれど、今になってその意味がわかる気がする。状況が変わったら、音量も変えていい。そういうことだ。
週の後半は、ゴールを目指して走る時間じゃなくて、今週を丁寧に締めくくるための時間だと思っている。月曜に比べて疲れているのは当然で、それは弱さじゃなくて、ちゃんと動いてきた証拠だ。
今日、コーヒーを飲み終えたら、まず一つだけ決めよう。それだけで、今日は十分に始まれる。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。
忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。
もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。






