
水曜日の朝が来た。
カーテンの隙間から差し込む光が、フローリングの上に細長い白い線を引いている。まだ7時にもなっていないのに、なんとなく目が覚めてしまった。頭の奥がじんわり重い。昨日の夜のメールの返信、まだ終わっていないタスクのリスト、「あの件どうなった?」と聞かれた瞬間の記憶が、ぼんやりとした眠気の中に混じり込んでくる。
ああ、また水曜日だ。
週の中盤ってこういう感じがする、と私は思う。月曜日のあの「よしやるぞ」みたいな緊張感はもうなくて、かといって金曜日の「もう少し」という軽さもまだ遠い。ちょうど真ん中で、足がすこし重くなっている。疲れているのか、それとも疲れているような気がしているだけなのか、自分でもよくわからない。
そういえば小学生のころ、水曜日だけ給食のデザートがゼリーだった。それだけが理由で、水曜日が好きだった。あの単純さがちょっとうらやましい、と今になって思う。
キッチンに立って、お湯を沸かした。使っているのは「ソワレブレンド」というハーブティーで、近所のセレクトショップで見つけた小さな缶に入ったやつ。カモミールとレモングラスが混ざったような、やわらかくて少しだけ甘い香りが、湯気といっしょに広がる。その香りを吸い込んだ瞬間、肩がほんの少し下がった気がした。
私はよく、こういう瞬間を見逃してしまう。
「ちゃんとしなきゃ」「次のことを考えなきゃ」って、頭がすぐ先のことに飛んでいく。でも今日はそのまま、温かいカップを両手で包んで、窓の外を見ていた。5月の朝の光って、こんなに柔らかかったっけ。葉っぱの緑が透けて見えるくらい、やわらかい。
安心って、遠くにあるものじゃないのかもしれない。
こうやってお茶を飲んでいる時間とか、窓の外の緑を眺めているだけの数分とか。そういうものが積み重なって、じわじわと呼吸が整っていく感じがある。焦って気持ちを切り替えようとしなくていい。深呼吸を「しなきゃ」と思わなくていい。ただ、カップが少し熱くて、でも持ち続けたくて、そのまま立っていた。
余裕って、何かを終わらせた先にあるものだと思っていた。でも最近は、こういう小さな隙間の中にあるのかもしれないと感じている。何もしていない5分間が、午後の自分を少しだけ軽くしてくれることがある。
ちなみにさっき、うとうとしながらハーブティーを飲んでいたら、カップのフタをしたまま飲もうとして、盛大にこぼしそうになった。完全に寝ぼけていた。我ながら笑えた。
今日一日、うまくいかないことがあってもいい。全部きれいに片づかなくてもいい。疲れを感じたら、それをそのまま受け取ってあげてほしい。あなたが今ここにいて、朝のお茶を飲んでいるだけで、もうそれで十分な気がするから。
#水曜日
#疲れた時に
#心を整える
#無理しない
#余白時間
#安心感
こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。
忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。
もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、


