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おはよう。今日は金曜日。

窓の外がまだ少し薄暗くて、カーテンの隙間から朝の光がうっすら差し込んでいる、あの時間帯に目が覚めた。アラームより少し早く。体はまだ布団の重さを手放したくなくて、でも頭はもう今日のことを考えはじめていた。そういう朝、あなたにもあるかな。

今週、どうだったかな。

わたしはといえば、火曜日に送ったメールの返信が来るまでずっとそわそわしていたし、水曜の昼は忙しくてコンビニのサラダを立ったまま食べた。木曜の夜、帰り道にイヤホンを片耳だけ外して、風の音を聞いていた。理由はわからない。ただ、なんとなくそうしたくなった。

疲れているとき、人は静けさを求めるんだと思う。

音楽でも、言葉でも、誰かの声でもなく、ただの「なにもない音」。風とか、遠くの電車の音とか。そういうものに、すっと引き寄せられる。

今朝、起き上がってお湯を沸かした。使っているのは「ネビュラ」というブランドのスモークグレーのケトルで、ぽってりした形がなぜか好きで、もう3年使っている。お湯が沸く直前の、ゆっくりとした気泡の音が好きだ。シュー、という低い音。その音を聞くたびに、なんとなく息が深くなる気がする。

子どもの頃、祖母の家に行くと必ずお茶を淹れてくれた。急須から湯呑みへ、細い湯の糸。あの香りと、畳の上の静かな時間が、今でも「安心」という言葉の形をしている。大人になっても、あたたかい飲み物が手のひらに触れる瞬間に、あの感覚がふっと戻ってくる。

今朝、ティーバッグをカップに入れてお湯を注いだとき、うっかりティーバッグの紐をカップの外に垂らし忘れて、しばらく探してしまった。こういうときの自分、なんか可愛いな、と思う。疲れているんだな、とも。

でも、それでいいと思う。

完璧に動けない朝があっていい。紐を探す朝があっていい。今週、ちゃんと動いてきたんだから。誰かのために、自分のために、毎日を積み上げてきた。それはもう、十分すごいことだ。

癒しって、どこか遠くに行かなくてもあるんだと最近思う。旅行でも、特別なグッズでもなくて、ただ「今日の自分をそのまま置いておける時間」のことなのかもしれない。

お湯の湯気が、朝の光の中でゆらゆら揺れている。その細い煙を、ぼんやり目で追っていた。何も考えていない、あの数秒間。たぶん、あそこが回復の入り口だったと思う。

静けさは、立ち止まることじゃなくて、自分のところへ戻ってくること。

今週もちゃんと頑張ってきたね。今日は金曜日。もう少しだけ、自分にやさしくしてあげて。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。

忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。

もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。