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カーテンの隙間から、7月の朝の光がすうっと差し込んでくる。まだ少しだけ眠い目で、それを眺めながら思った。ああ、今日は金曜日だ、と。

一週間って、なんでこんなに長いんだろう。月曜の朝に気合いを入れて、火曜に少しペースをつかんで、水曜でもう「折り返し」とか言いながら、木曜は夕方になるとじわじわと疲れが足元から上ってくる。そして金曜の朝、目が覚めたとき、頭の中にはまだ仕事のことが漂っていたりする。張りつめた気持ちって、寝ている間も少し残るんだな、と最近気づいた。

今朝、ベッドから起き上がって、お気に入りのマグカップにお湯を注いだ。使っているのは「ネルヴァ」というインテリアブランドで見つけた、ざらっとした質感の白いカップ。持つだけで手のひらに温度が伝わってきて、なんだかそれだけで少し息ができる気がする。カモミールの香りがふわっと立ち上がって、部屋の空気がやわらかく変わった。静けさ、という言葉があるとしたら、たぶんこういう瞬間のことを言うんだと思う。

正直に言うと、今週は少しだけしんどかった。うまく言葉にできないけれど、ちゃんとやっていたのに手応えが感じられない日があったり、夜遅くに「これでよかったのかな」と天井を見上げたりした。そういう夜は、子どもの頃に布団の中でよく聴いていた雨音を思い出す。あの頃は、雨が降ると「明日の遠足がなくなる」と泣いていたのに、今はなぜかあの音が懐かしくて、少し羨ましい。何も考えなくてよかった夜のこと。

でも、ちゃんと来た。今日まで。それだけで十分だと、最近ようやく思えるようになってきた。

回復って、劇的なものじゃないんだと思う。温かいものを飲んで、窓の外の空が明るいことに気づいて、ゆっくり息を吐いて。そういう小さなことが、少しずつ積み重なっていく。今週もちゃんと頑張ってきた、という事実は、誰かに認めてもらわなくても、ちゃんとそこにある。

カップを両手で包んでいたら、うっかり熱すぎてちょっと「あちっ」と声が出た。静かな朝に一人でそれをやって、なんとなく笑ってしまった。そういう小さなズレが、今日の朝をちゃんと「現実」にしてくれる気がした。

癒しって、遠くにあるものじゃなくて、こういう金曜日の朝の光の中にあるんじゃないかな。自分を労わることは、特別なことじゃなくていい。今日も、やさしくしてあげよう。自分に。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。

忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。

もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。