
朝、目が覚めた瞬間に気づく。あ、金曜日だ、って。
カーテンの隙間から差し込む光が、いつもより少しだけ柔らかい気がして——秋の朝ってこういう顔をしているんだな、と思いながら、わたしはぼんやりとベッドの中で手を伸ばした。スマホを確認する前に、まず深呼吸。それだけで、なんとなく今日が少し違う日に感じられる。
月曜から数えて、もう五日。毎朝ちゃんと起きて、ちゃんと準備して、ちゃんと向き合ってきた。それって、すごいことだと思う。当たり前じゃないよ、本当に。
今週の自分を振り返ると、完璧じゃなかった日もあった。火曜日の午後、送るはずのメールを下書きのまま眠らせてしまって、翌朝気づいて「あ〜〜!」って声に出てしまったのは、ここだけの話にしておく(心の中でかなり盛大にツッコんだ)。それでも、なんとかやってきた。そういう小さな積み重ねが、今日のわたしをここに連れてきてくれた。
帰り道に何を買おうか、もう決めてある。
最近ハマっているのは、「ルミナスローズティー」という名前のフレーバーティー。架空の名前みたいだけど本当にあって、薄いピンク色のお湯がカップに広がる瞬間が好きで、香りがふわっと鼻の奥まで届くたびに「ああ、今日も終わった」って思える。これが今週の、わたしへの小さなご褒美。大げさじゃなくていい。ちゃんと自分を労う時間が、週末の入口にあるだけで、なんだか全然違う。
子どもの頃、金曜日の夜だけ母がプリンを買ってきてくれた。冷蔵庫を開けるたびに、ちゃんとそこにあるかどうか確認した。あの小さな期待感と、今のわたしが帰り道に感じる「今日は何にしよう」のわくわくは、案外似ている気がする。
まだ今日は終わっていないけれど。
それでいい。全部終わらせなくていいし、完璧に片付けなくていい。今日の自分の歩幅で、あと少しだけ進めばいい。夜には温かいものを飲んで、好きな音楽をかけて、少しだけ長めにお風呂に入ろう。湯船の縁に手をかけながら「今週もよく生きたな」って、静かに思えたら、それで十分。
一週間の終わりって、ゴールじゃなくて、ちゃんと自分を労うための区切りだと思う。あなたが今週感じた疲れも、こなしてきたことも、全部本物だよ。
今日も、自分のペースで。ゆっくりいこう。
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こういう時間は、特別なものではなく、
ほんの少し意識するだけで日常の中に生まれるのかもしれません。
忙しさの中で見落としていたものに気づくと、
時間の流れは少しだけやさしくなる気がします。
もし、こうした“静かな余韻”に少しでも価値を感じるなら、
ぜひ武岡出版の作品もご覧ください。






