RYU TAKEOCA BLOG
武岡 隆のブログ
本、活字、日本語、物語、記憶、時間。
日々の中でふと立ち止まったことを、武岡 隆の言葉で静かに綴ります。
AIの要約に残らなかった人物
物語の草稿をAIに要約させると、原文にいた人物の名前が消えることがある。名前だけが省かれたのか、その人物の働きまで失われたのかを見分けると、要約から物語の重心の見え方を確かめられる…
続きを読むもう向きを直せない一冊
机に並ぶ本は、まだ作者が向きを直せる。そこから知らない誰かの手へ渡り、作者には続きを決められなくなるまでを考えた。
続きを読む彼岸花が咲くころ、葉はまだ見えない
彼岸花は秋に花茎だけを伸ばし、花が終わってから葉を出す。花と葉が別々の時期に現れるため、一株の姿の連続が見えにくい。その季節のずれについて考えた。
続きを読む前の字があって、はじめて読める「々」
「時々」「人々」「日々」にある「々」は、直前の漢字を繰り返す一方、それ自体では読みを決められない。同じ字の反復を示しながら、同じ形の連続を紙面から消す記号の働きを考えた。
続きを読む扉が開く前に、場面を切る
人物が扉に手をかけたところで場面を終える。まだ完了していない動作が読者の中で先へ進み、書かれていない時間を次の場面へつなぐ働きについて考えた。
続きを読む雨に「脚」がある
「雨脚」は、落ちてくる雨の筋を見せながら、その雨がこちらへ近づき、やがて遠ざかる動きまで一語に収めている。雨に添えられた「脚」の働きを考えた。
続きを読む奥付に記された本の時間
奥付に並ぶ初版発行日と第何刷かの記録は、物語の出来事ではない。一冊の本が最初に作られ、その後も同じ本文を必要とされてきた時間について考えた。
続きを読むAIがそろえた章題の長さ
AIに複数の章題を求めると、語数や文型のそろった案が並びやすい。目次としての整い方が、各章の違いや物語を読む速さまで均一にしていないかを考えた。
続きを読む蜘蛛の巣を浮かび上がらせる朝露
秋の朝、蜘蛛の糸に露が付くと、そこにあった巣の形が急に見える。私が気になるのは、一本の糸がそのまま強調されるのではなく、途切れた露の粒によって連続した形が示されることである。
続きを読む次のページを、指で先に確保する
紙の本を読んでいると、目がいまの文章を追っているあいだに、指は次の一枚へかかっている。ページをめくる準備というだけでは片づけにくい、目と手の時間差について考えた。
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